第21話 1月 愛車購入記21

フェラーリを買ってしまった。

 

なんだか分からないものすごいプレッシャーを感じる。

 

何かとんでもないことをしでかした気がする。

 

新車のGT-Rやポルシェが買える値段で16年も前のイタリア車を買う。正気の沙汰じゃない。

 

私は清水草一でも伊達軍曹でもないのだ。

 

一番の問題は妻になんと言うかだ。

 

NSXは一生乗ると言って買ったのに・・・

 

気が重い。

 

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第20話 1月 愛車購入記20

お店に戻り、本格的に購入を検討し始めた。まずは、下取りの価格を出してもらった。

 

下取りはNSX。

 

NSX専門店で下取りの概算は出してもらっていたので、それを伝え、より高い金額を提示してもらった。

 

下取りはOK。

 

あとは総額を出してもらい、こちらの要望を伝えた。

 

アルミホイールを純正のBBSの18インチに戻すこと。

 

タイヤとレーダーとドラレコを送るので、取り付けてもらうこと。

 

開閉できなかった幌を直し、リヤスクリーンを新品にすること。

 

全部OKがとれた。

 

頭金の額も決め、8桁の契約書にサインをした。

 

ものすごく疲れた。

 

現物見て、即決めした。

 

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第19話 1月 愛車購入記19

アルミホイール以外はかなりいい。

 

色はグリジオアロイに内装がホワイトベージュ。

 

ハーマンがフロント、サイド、リヤのアンダーについている。リヤに羽がついていないところが素晴らしい。羽をつけるとボディに穴を開けることになる。

何より羽は下品に見える。せっかくのスパイダーのエレガントさが台無しだ。

 

マフラーはTWS、エンジンルームの熱処理対策もされている。

 

リヤにチャレンジグリルが入っていないのがいい。ここが黒いとボディ全体の連続性が遮断されてしまう。同様の理由で七宝焼きがサイドについていないのも理想的だ。

これでグリジオアロイがボディ全体を連続して貫く。

 

ETC、HDDナビ、バックカメラがついている。ありがたい。レーダーもついているが、こちらはちと古いので交換しよう。

 

ライトはピカピカだ。屋内保管されていたのが分かる。幌はオプションの紺色で状態はいい。リヤスクリーンは完全にくもっている。これは交換しないと後ろが見えない。

 

問題は値段だ。

8桁もするものは家以外に買ったことがない。

 

6速マニュアルのスパイダーはカーセンサーで2台しかない。そのうちの一台。

もう一台は東京の価格ASKのみ。だが、白のボディは好みじゃない。

 

360はクーペでもほとんどがF1だ。この店の10台はある360もクーペはすべてF1なのだ。

 

マニュアルはレアだし、スパイダーも台数が少ない。

ましてやスパイダーのマニュアルなんてなかなか出てこない。

 

カーセンサーで二台しかないのが、その証拠だ。

 

お店の人が近日中に入るという黄色のクーペをおすすめしてきた。走行1万キロ未満の右ハンドル。2オーナーのF1で、コーンズでずっと整備されている。

 

一度お店を出て、作戦会議をすることにした。

近所のファミレスでステーキを食べながら、息子と打ち合わせをする。

 

息子は元々360スパイダーが一番欲しいと言っている。

私の譲れないポイントはマニュアルであること。

よし、ターゲットは360スパイダーに決まった。

あとは金策だ。

 

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第18話 1月 愛車購入記18

倉庫に行くと、車がまたたくさんあった。

 

ロールスに、ガヤルドガヤルドスパイダー、456の赤がまぶしい。ざっと30台はありそうだ。

 

360スパイダーは一番奥にある。

 

高級車の間を抜け、360にたどり着いた。

 

AVS MODEL T5のアルミホイール以外はパーフェクトだ。

フロント19インチにリヤ20インチが入っている。

 

これはいただけない。

 

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第17話 1月 愛車購入記17

ようやくお店に着いた。

 

フェラーリだけでざっと20台はある。

 

355

348

612

 

そして、本命の360

 

10台以上ある。

 

ハーマン仕様に

チャレスト仕様

右ハンドルに

色も様々

 

しかし、マニュアルが全然ない。全部F1。

 

 

スパイダーもない。

 

お店の人にきいてみた。

 

あの、カーセンサーに掲載されてたマニュアルのスパイダーはないんですか?

 

別保管になります。

 

別保管?

 

そこの倉庫にあります。

 

私たちは倉庫に向かった。

 

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第16話 1月 愛車購入記16

私たちは目的の駅で電車を降りた。

 

のどかな街をのんびりと歩く。

 

山が近く見える。

 

山を見ながら歩く。歩く。歩く。

 

車屋さんは遠い。

 

だが、懐かしさを感じさせる景色は嫌いじゃない。

 

農業用水の脇をひたすら歩く。

 

ようやく大通りに出た。

 

車屋さんはこの通りにあるはずだ。

 

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第15話 1月 愛車購入記15

博多駅から赤い電車に乗った。

 

車窓はみるみるのどかな景色になっていく。

 

子どもと二人、今日これは見たいという車をリストアップしていく。

 

子どもの欲しがる車はオープンカーばかりだ。

 

前にオープンカーに乗っていたので、オープンカーの虜になってしまったらしい。

 

私もオープンカーは大好きだ。

 

オープンカーは季節を感じられる。

そして、無限の空を手に入れられる。

 

電車はどんどん郊外へと走っていく。

 

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