第22話 1月 愛車購入記22
フェラーリのハードルは普通の所得の人間にとって、とてつもなく高い。
高すぎる、高すぎる壁が立ち塞がる。
ポルシェや、NSX、M3を買うのとはわけが違う。全然違う。違い過ぎる。
日本製
信じられる
ドイツ製
信じられる
イタリア製
・・・
何が不安かって、買ったあと維持費がいくらかかるか分からない点だ。何しろイタリア製
の工業製品なんて今まで身近になかった。
だが、私はそのハードルを乗り越えてしまった。
これからどうなるのだろう。
期待と不安が入り交じる。
博多からの帰路、私はそんなことを考えていた。
我が家に着くと嫁がこう言った。
まさか、また車買ってこなかったよね?
いや、そのまさかです。車買っちゃった。
パパね、フェラーリ買ったんだよ。
子どもの無邪気な声の後、我が家は静寂に包まれた。
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